参加者・準備からご協力いただいた皆様のおかげで全日程を無事に終了する事ができました。 心より感謝申し上げます。
【フリークリニック2日間の実績】
Day1,Day2 Total Patient 1543名
Dental Education 1193名
Dentures 73名
診療1日目、2日目とも晴天!暑さの中、参加者の皆さんは汗をぬぐいながらボランティア活動をされていました。
泣きながら頑張る子供もいましたが、たくさんの笑顔を見ることができました。
40周年記念パーティー当日は朝から雨、セブ名物の大渋滞も重なり本来なら綺麗な青空、青い海を満喫できるアイランドホッピングやアマラリーゾートはちょっと残念でした。
今後は41回フリークリニックに向けて40回での反省点を改善しフリークリニックは勿論、自由時間のショッピングやアクティビティも充実できる様に実行委員会やKADVO 会員の皆様と作って参ります。
セブフリーデンタルクリニックこのプロジェクトは1984年の第1回から37年間、湾岸戦争・東日本大震災などの困難を乗り越え途絶えることなく継続して来ました。
この間にフィリピンは経済や医療においても大きく発展しそれに伴いフリークリニックのスタイルを少しずつ変化させ現在の特定非営利活動法人神奈川海外ボランティア歯科医療団(KADVO)現地歯科医師会 (セブ歯科医師会・CDS)、サウスウエスタン大学歯学部、現地サポーター、ロータリークラブなどが助け合ってプロジェクトを成功へと導く形態となりました。
これは医療ボランティアの成熟した1つの成功例ではないかと思います。今後もこれまで培ってきたフィリピン・日本両国関係者の「友情」を大切にこのプロジェクトを継続させて行くことが何よりも大切であると感じる一方、KADVO会員の高齢化や「治療の医療から予防の医療」への変化など、今後のボランティアプロジェクトを継続させてゆくための転換期であり成長へのターニングポイントではないかと感じています。
医療従事者のみならず一般の方、学生の方の参加もお待ちしています。
現在のところ41回セブフリークリニックは2026年3月16日〜20日を予定しています。
40回フリークリニックに参加された皆様、セブで感じた気持ちを忘れずに診療、お仕事、学業頑張って下さい。
Salamat
特定非営利活動法人
神奈川海外ボランティア歯科医療団
歯科衛生士学校に掲示されているポスターをみて参加させて頂きました。
国家試験が終わったタイミングということもあり、免許はないため予防部門に参加することになりました。セブ島というと日本人であればリゾートをイメージすると思いますが、実際に参加して目にする光景は、私が想像するものとは大きく異なりました。
リゾートはほんの島の一部であり、道路はガタガタ、ゴミは散乱、道を歩けば貧しい子供たちがたくさんいるような環境でとても衝撃を受けました。今回参加させて頂いた予防部門では学校に通っている子供たちへの保健指導でしたが、それでも日本の子供たちと比べると口腔内の環境はとても悪いように思えました。少しでもブラッシングをすると歯肉から出血するような子供たちをみて、日本との衛生教育の差を感じることができました。
この活動に参加するまで、私なんかが保健指導をすることによって、何かが変わるのだろうか?と正直思ってしまっていました。ですが実際に子供たちに指導をしていると、今日ここで歯ブラシの使い方を学んでくれれば、将来虫歯や歯周病によって失う歯を少しでも減らせるのかもしれない、という気持ちにかわっていきました。
私たちの活動で関わった子供たちが大人になったとき、少しでも未来が良くなれれば嬉しいなと思うことができる、そんな活動であったと思います。
20代歯科衛生士科学生
今回初めてKADOVO歯科ボランティアに参加させていただきました。
ボランティア1日目は、小学校に通う子どもたちへ歯ブラシ指導を行い普段口にしているおやつや食べ物が歯に対して良いものなのか悪いものなのかクイズをしたり子どもたちが自分の口腔内に興味を持って、少しでも歯について考えてくれるきっかけとなったら嬉しいなと感じました。
小学校でのボランティアを終えてから、イナヤワン地区のゴミ山で生活されているエリアへ足を運ばせていただきました。そこでは衣服の寄付や歯ブラシの寄付を行い集団歯ブラシ指導をさせていただいたのですが、午前中に歯ブラシ指導をおこなった小学校に通う子どもたちと同世代の子達へ歯ブラシを渡すと「歯ブラシは歯を磨くもの」という認識がなく、歯ブラシで土いじりを始めたり毛先で体をかいたり同じ年代でこんなにも教育の差があるのかということに衝撃を受けました。
歯科衛生士としての使命を強く感じ、歯ブラシ指導を行うととても楽しそうに歯を磨いて、口いっぱいに水を含んで楽しそうにうがいをする様子が見れてとても嬉しかったです!明日を生きるのに必死な中で、毎日歯ブラシを使う。食後に歯を磨く。この習慣が定着するにはかなりの時間を要するなと感じましたが、根気強く伝えていくことは大事だなと感じました。一生懸命歯を磨く子どもたちの笑顔が忘れられないです。
ボランティア2日目は、現地のDrとペアになり現地の方達の歯周治療を行いました!人生で初めてクリーニングをする方がほとんどで日本では想像できない量の歯石を目の当たりにして腕が鳴りました!(笑)
38度を超える中でガウンを着用してのクリーニングはサウナの中にいるような状態でしたが、クリーニングをしながら、どうしたら歯の大切さが伝わるのか。歯を抜くことは当たり前ではないことを伝えることができるのか。ということを考えさせられ、改めて歯科衛生士としての使命と向き合う時間となりました。
歯周治療を終えて夕方はセブのスラム墓地「カレタ墓地」へ訪問させていただきました。「住むところがなく、お墓で生活している」このワードを聞いた時、言葉の意味が分からずどういう現状なのか想像ができずにいましたが現場を目の当たりにした時、胸が締め付けられました。赤の他人のお墓に住むことで生きていくという現実。私の当たり前の価値観が当たり前ではない。彼女たちは当たり前にお墓で生活をしていて楽しそうに駆け回ったり、バレーボールをして遊んだり...とても幸せそうに見えました。
こうした地域へ教育をする活動も行われているとのことでカレタ墓地から成績優秀者も出ていると伺い、一歩一歩変化していってるんだなと感じ胸が熱くなりました。こうした活動を通して子どもたちの将来に大きく貢献することができるのだと感じ、ここで教育を受けた子ども達が未来へバトンを繋いでいくかもしれないと思うと活動の意味の深さを肌で感じました。
今回初めての参加でしたが、委員会の皆さん始め、現地のスタッフ、日本のボランティアスタッフの皆さんがとても優しく、ユーモアに溢れていて皆さんのおかげで楽しく充実した時間を過ごすことができました!
自分の当たり前では無い環境に触れることで日々の日常に感謝することができ、今後の自分の人生の使命と向き合うことができました。このような機会をいただき本当に感謝しています。引き続き、自分のできることから一つひとつ積み重ねて貢献していけたらと思います!
1人の一歩より100人の一歩。誰かがこの一歩に一緒に参加してくれるきっかけになったら幸いです。
歯科衛生士
「海外ボランティア活動を通じて学んだこと」
今回、母の勧めを受けて興味を持ったことをきっかけに、フィリピンのセブ島で開催されたフリーデンタルクリニックのボランティア活動に参加しました。私は現在歯学部3年生で、臨床経験はほとんどありませんが、現地での歯科医療の現場を見学し、多くのことを学ぶ貴重な機会となりました。
活動はセブ島にある小学校で行われ、予診、予防、充填、外科などのさまざまな診療科を見学しました。特に充填部門では、現地の先生とペアを組み、治療の流れを間近で学びながら、必要な器材を渡すサポートを行いました。実際に治療を受けるのは子どもが多かったですが、口腔内の状態は非常に悪く、中にはほとんど歯が残っていない子もいました。このような環境の中で、しばらく歯科治療を受けることができない子どもたちに対し、一度の治療でどのような治療をするのが最善なのかを考えさせられる場面が多くありました。
また、言語の壁も課題として残りました。英語でのコミュニケーションが思うように取れず、もどかしさを感じることもありましたが、それでも現地の方々と通じ合えたときはとても嬉しかったです。今回の経験を通じて、もっと英語を勉強し、再び現地を訪れたいと思いました。ペアを組んだ現地のドクターや現地のKADVOの方々も優しく接してくださり、話しやすい雰囲気だったため、次回はもっと積極的にコミュニケーションを取りたいと思いました。
今回のボランティア活動を通じて、世界には歯科医療を十分に受けられない子どもたちがまだまだ多くいることを実感しました。適切な指導を受ける機会がないため、歯の磨き方や口腔ケアの重要性を知らない子も多くいます。学生の自分にできることは限られていましたが、子ども達に正しい歯磨きの習慣を伝え、少しでも口腔の健康を守る手助けができればと思いました。
また、将来歯科医師の資格を取得したら、歯科治療を通じてさらに貢献できるようになりたいと考えています。今回の経験を活かし、今後も知識と技術を磨き、また現地で役に立てるよう努力していきたいです。
20代歯学部学生
母校の先輩先生方発祥のこの素晴らしい取り組みを、恥ずかしながら、 知っていたような、知らなかったような伝説の取り組みでしたが、 卒業してから28年が経ち、偶然にも私は今回初めて参加させて頂きました。
一番にフィリピンの女性歯科医師の元気なパワーに驚きました!!
また、フィリピンの歯科技術の高さにも大変感銘を受けました。
設備が十分に整っていない、強烈なむせかえるような暑さの中の診療でしたが元気な子供達に囲まれながら、診療を終える事が出来ました。
歯科診療のみでなく、急激な経済成長をしているフィリピンのまた、別の一面、 貧困地区イナヤワン地区を見学させて頂けたのも、このKADVOの取り組みならではだと思います。
個人開業歯科医院での日々の勤務は転勤も出張もありません。
当たり前のように単調な日々を過ごしていた私にとって、この5日間は当たり前に思っていた単調な日々が当たり前ではないと強烈に知らさされた5日間でした。
以前、音楽やスポーツに国境はないというのを耳にした事があります。
歯科治療にも国境がないと思いました。
私は卒業してから、たいした趣味もなく、仕事中心の生活をしており、子供が生まれてからは、仕事と家庭の慌しい日々を送っています。
人生の折り返し地点の、仕事しかなかった人生なのか、、、と寂しくなる事もありましたが、 その仕事を通じて沢山の方々と触れ合える幸せなとても時間でした。
このような素晴らしい取り組みを40年という長きに渡り繋いでこられた諸先輩先生方に感謝します。また、続ける事の素晴らしさをも体験させて頂きました。
私は今回、ボランティア活動に参加したはずでしたが、多くの体験、感動、感謝を頂いて帰ってきました。みなさん、有難うございました。
京都府在住歯科医師